【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑435】ウエストバージニア州で2人の漁師が夜釣りの際に奇妙な生物を目撃したとして注目を集めている。

 地元メディアの報道によると、2019年の夏の夜、地元の男性2人がウエスト・フォーク川でナマズ釣りをしていたところ、1人が川の中に大き目の丸い何かが流れてきているのを見つけた。最初は川に落ちたボールではないかと考えていたそうだが、その物体をよく見てみたところ、「丸いものの後ろに蛇のように動くものがある」ことに気づいた。

 やがてこれが生物とだと気付いた男性はもう1人に声を掛け、謎の生物に対してライトを当てて正体を確かめようとした。しかし、その時には水の中に潜ってしまったのか、姿を消してしまっていたという。

 果たして、彼らが目撃してしまったものは何だったのか。実は昨年、地元メディアはこの地域の水路に「オグア」と呼ばれる怪物が潜むという伝説を記事にしており、2人の男性は「自分たちが遭遇したものはオグアだったのかもしれない」と考えているという。

 オグアはウェストバージニア州のモノンガヘラ川に生息する、巨大なカミツキガメの姿をした未確認生物だという。体長は約6メートル、体重は220キロを超す巨体で、時折、餌を求めて陸に上がってくるという。

 オグアが初めて目撃されたのは1700年代後半だ。現在のオハイオ州マリエッタにあるハーマー砦に駐留していた男性の記述によれば、当時からマスキンガム川とオハイオ川の合流点に、鹿を殺す「双頭の巨大な水の怪物」が潜んでいると言われていたそうだ。

 このころは「アグア」ないしは「アグー」と呼ばれており、後にこの怪物の伝説が定着していくにつれ名前がアグアからオグアへと変化していったようだ。

 1983年ごろ、モノンガヘラ川で釣りをしていた炭鉱夫が、大きなヒレと蛇のような尾を持つ巨大な生物が川の中にいるのを目撃した。この証言が広まると、地元の新聞社に多くのオグア目撃情報が寄せられたという。

 また、時代や地域によっても名前が変わるようで、ピッツバーグ近郊ではこの生物は「モノンジー」と呼ばれているそう。こちらでは1930年から50年にかけて多く目撃され、03年に久々に写真が撮影されたが、正体は不明だったという。

 なお、2人の釣り人が見たものについて、単なるワニガメだったのではないか、という指摘もある。しかし2人は、あの生物の姿や大きさはワニガメとは全く違っていたと証言している。だとすれば、正体はやはり巨大亀「オグア」だったのだろうか。