「2021年第95回キネマ旬報ベスト・テン発表&表彰式」が2日、都内で行われ、俳優の役所広司(66)が主演男優賞を受賞した。

 役所は「自分が芝居が上手だなって思ったことは一度もないんですけど。こうやって賞をいただいてもうちょっと頑張りたいと思います」と話した。

 また「『すばらしき世界』というタイトルが自分たちの作る映画を後押ししてくれて『しっかりやれ』と励ましてくれた気がしました。今、自分たちがいる場所は素晴らしい世界なんだと、素晴らしい世界にできるんだという思いがこもった映画と仲間たちが賞に導いてくれたと思ってます。本当にありがとうございました」と感謝の思いを述べた。

 お祝いに駆け付けた西川美和監督(47)は「役を作ってもらってるというよりもカメラの前に座ったときには主人公がそこにいる。私たちはただ撮っていけばいいんだっていう安心感が常にあっと思います」と振り返った。

 演技について「もちろん素晴らしいんですけど。相手を食うようなお芝居をされるんじゃなくて、ほかの若い俳優たちの持っている、いいところを引き出してくれると感じました」と称賛が止まらなかった。

 この日も役所のために駆け付けた14人のスタッフに舞台上から手を振って応えるなど気さくな表情をみせていた。